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いぼ痔の治療法 -ジオン硬化療法-
肛門三大疾患について・大腸内視鏡検査のすすめいぼ痔の治療法 -ジオン硬化療法-
いぼ痔(痔核)は肛門の血管が膨れてこぶ状になったもので、ひどくなると出血したり肛門の外へとび出たり(脱肛)します。便秘や下痢にともなう排便時の強いいきみなど、肛門に過度の負担をかけ続けることで生じ、やがて慢性化します。
いぼ痔の治療法には①手術(痔核を切りとる)と、②ジオン硬化療法(痔核を切りとらずに、痔核に直接注射する)とがあります。ジオン硬化療法(四段階注射法、ALTA療法)は、いぼ痔を切らずに直接注射で痔の血管を固める簡便な治療法です。治療効果が良好な上に、治療後に肛門痛や出血の心配が少ないため、短期入院(原則1泊2日)で済むという大きな利点があります。当院では、ジオン硬化療法を局所麻酔か腰椎麻酔で行なっています。局所麻酔で行なう場合は日帰り治療も可能です。治療時間は20分程度です。いぼ痔からの出血と、いぼ痔の脱出(脱肛)に特に有効です。長期に出っぱなしのいぼ痔(外痔核)を伴う場合には、ジオン硬化療法と外痔核切除とを併せて行ないます。
肛門三大疾患について
肛門の主な疾患は、①いぼ痔(内外痔核) ②切れ痔(裂肛) ③痔瘻 です。
いぼ痔の不快感(排便時の脱出や出血)が続くようになれば、ジオン硬化療法か従来の切りとる手術を行ないます。
切れ痔(裂肛)は、初期のものは軟膏などの保存治療で治りますが、慢性化すると硬い難治性の傷になるため手術が必要になります。痔瘻は肛門周囲から膿や血が出たり、腫れて痛くなったりする病気であり、手術をしなければ根治しません。
瘻孔の開放手術(入院治療) か、 シートン手術(外来通院治療)を行なっています。
大腸内視鏡検査のすすめ
排便時出血の原因の多くはいぼ痔からのものですが、大腸がんや直腸がんから出血している場合もあり要注意です。
便に血の混じる方には、大腸内視鏡検査をお勧めしています。- 金子 昭 かねこ あきら
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専門分野
肛門疾患・消化器疾患
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専門医・資格
日本大腸肛門病学会認定専門医
日本消化器内視鏡学会認定専門医
日本外科学会認定医
日本外科学会専門医 -
学歴
昭和56年 山口大学医学部卒業
平成2年 高知医科大学第一外科講師 -
コメント
いぼ痔の根本治療で、ジオン硬化療法(四段階注射法)という、直接注射でいぼ痔を固めて治す治療が増加しており、全国で既に60万人以上がこの治療を受けています。いぼ痔の出血(出血性内痔核)や、脱肛(脱出性内痔核)に有効な治療法です。メリットは、①短期入院、②痛くない、③局所麻酔で治療が可能、などです。
外来診療 曜 日 月 火 水 木 金 土 午前(8:30〜) - ○ ○ - ○ 第1・3週 午後(13:30〜) ○ - - - ○ -